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自然農法 その1
2009/04/26(Sun) 07:45:40
ここに来てそれほど経たない頃に、セバスに「フクオカって知ってる?」と尋ねられた。

フクオカとは九州にある大都市のことでしょうか?と思ったら、どうも人名らしい。
「フクオカは農業のことをよく知ってて、本もいっぱい書いてるんだよ」とのこと。
農業について学びたいなら調べてみるといいよ、とも。

しかしそんなことすっかり忘れていたわたし。
その後、「フクオカについて調べた?」とセバスに聞かれるまで思い出しもしなかった。
が、その後もやっぱり放置。

数日前に何となく思いだし、なんとなく調べてみた。

セバスはマサモト・フクオカと言ったが、正しくは福岡正信。
福岡氏は自然農法の創始者らしい。



自然農法とは、「
不耕起(耕さない)、無肥料、無農薬、無除草を特徴とする」農法のこと。


最初これを見た時、全く意味が分からなかった。
耕さなければ植物は植えられないし、肥料がなければ植物は肥えないし、無農薬は分かるけど雑草を抜かないなんてせっかく植えた植物が台無しじゃない!と思ったのだ。
そんなんで農業が成り立つのか、と。


福岡氏について調べていると、ある人のサイトに行きついた。
自然農法に基づき、野菜作りを行ってきた人の記録だった。

その人は最初は特に自然農法を実施しようと思って野菜作りを始めたのではなかった。
初めの頃は普通に畑を耕し、肥料をやり、虫がつけば農薬を使い、雑草も抜いていた。
もともとは農業に関しては素人の人で、試行錯誤しながらの野菜作り。
問題に行き詰るといろんなことを試しながら長年野菜を作り続けていった。
そして最終的に自然農法が一番よい方法なのだと気づいたらしい。

その人は驚くことを書いていた。

虫がつけば農薬を使い、次の年は虫がつくことを恐れ、虫が現れる前から農薬を散布していた。
それでも虫は現れ、野菜を台無しにしていく。

ある年、思い切って農薬を使うのをやめてみた。
そうしたらなぜか虫の被害がほとんどなかったらしい。

これはどういうことなのか。


わたしは福岡氏の著書を読んだわけではない。
まだそれほど調べているわけでもないので、自然農法についての知識というか、解釈はこの人の記録がほぼ全てになる。
この人自身の解釈も含められていると思うので、正しく「福岡氏の自然農法」を知っているわけではない。

それでも、ものすごく納得というか、そういうことなのかと強く共感した。


自然界の生き物は、自分が食べる物の食べごろというものを知っているらしい。
本当ならばよく熟し、一番おいしい時に食べる。
それなのにまだ熟していない野菜に虫が付くのはどういうことなのか。
それは野菜自身に問題があり、ほぼ死に瀕している状態だからだというのだ。

農薬を使われた野菜は、たとえ健康に見えても既に正常な状態とはいえない。
もし正常なら熟していない時に虫がつくはずはない。

農薬を使わなかった年に虫害がなかったのは、きちんと正常に野菜が育ち虫はまだ食べころだと思わなかった。
そういうことらしい。


自然農法とはまさに字そのままで、自然に任せるということ。
「不耕起、無肥料、無農薬、無除草」とは、そんなことしなくても植物はちゃんと育つ、と福岡氏は言っているのだ。

人が手を出せば、その時点ですでに「自然」ではなくなっている。
人が手を加えれば加えるほどリスクは増し、問題は後から後から出てくる。
それを解決するためにさらに何かを施し、どんどん「自然」とは遠く離れたものになってしまう。
化学肥料や農薬を使うことだけが「自然」を破壊しているのではない。
人間が植物の為にと思って何かを施すことさえ、「自然」ではなくならせているのだ。


植物とは自然の一部であって、自然とは人間が何かを為さなくてもきちんと循環していくものなのだ。



長いので、つづく。

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